残業代は自分だけで取り戻せるか

独自回収は独自で回収できるか?

残業代の独自回収が可能かどうかは、個人の状況により異なります。

1.証拠の収集度合いや信憑性
2.管理監督者が適応されるか
3.労働条件の違い(みなし労働時間制 フレックスタイム制 裁量労働制 等)
4.就業規則や給与規定との兼ね合い

おおまかにあげるとこんな感じです。とは言え、各個人で働き方が違いますから、こういった基本事項から枝葉を分ける感じで、それぞれの解釈が異なってくるんです。

【会社に直接請求】

労働法規に詳しくない素人が、とりあえず本とかインターネットで調べた情報で会社に直接請求しても、お互い法律に詳しくないから自分の主張を前面に出し合って、物別れで終わってしまうんですね。内容証明郵便送っても、良心的な会社でない限り、個人名では無視されてしまう可能性が高いですね。

【労働基準監督署に訴える】

タイムカードなどの証拠が十分に揃っていて、管理監督者性も問題なく、労働条件も特殊でない場合であれば、監督署が動いてくれて残業代を取り戻せるかもしれません。

 

ただし、労働基準法に照らし合わせた結果として違法性が確認できなかったり、証拠が不十分な場合は、監督署は積極的に動いてくれません。私のパターンがそうでしたから、これは紛れも無い事実です。特に、自分でメモった勤務時間などで訴えたり、会社側が管理監督者性を主張する場合、労働基準法での判断が困難になるため、絶対に「あっせん」とか「民事訴訟」を勧めてきます。

【あっせん】

労働局で対応してくれるんですが、法的強制力が無いので、無視されれば終わりです。もし協議のテーブルに付けたとして、交渉結果を履行してくれるか否かは不透明です。だって法的強制力が無いんですから。

【個人で入れる労働組合(ユニオン)】

会社側に団体交渉を申し入れ、交渉を進めるのが一般的です。知識の乏しい企業は申し入れを拒否したり、のらりくらりとかわしてくるでしょうが、それ自体が労働組合法に定める不当労働行為に該当しますので、労働委員会などの指導を受ける事になります。事態が膠着した場合は、彼らを通して弁護士に依頼する事になるでしょうね。

【労働審判】

個人でやろうと思えば出来なくもありません。勝訴されている方もいらっしゃるようですが、まがりなりにも裁判です。最大3回で結審するんですが、想像してみてください。自分で訴訟申請を行わなければなりません。当然訴状も自分で書いて、裁判所への提出も自分でやります。

 

第一回目の公判で双方の意見をぶつけ合うんですが、会社側はトンデモナイ嘘の証言を提出して来る可能性が大いにあります。その証言を覆す立証をしなければいけないんです。しかも短期間で。

 

会社に勤めながら出来るでしょうか?無職で時間があっても、大変な労力と精神的苦痛が伴うのは明らか。しかも労働法に沿った形での反証が必要なんです。これは困難ですよ。

無謀な考えは持たずに弁護士さんにお願いしましょう

ネットを見ると、一人で残業代請求に成功した事例をあげてるサイトとか、一人で残業代を請求するためのノウハウ本とかの情報が散見されますが、正直言って一般人にはムリです!
高度なレベルを要する事案を、特に書籍などで一般人にもできそうだと伝えるのは、
無責任だから止めて頂きたいです!!

 

私もやってみようと思って努力をしました。その結果2ヶ月も無駄な時間を費やしてしまったんです。無職の2ヶ月間を満足な求職活動も出来ずに棒に振ってしまい、無職のままもうすぐ失業給付が切れます。私と同じ様な思いをしないために、早めに弁護士さんに相談して下さい。

 

相談すれば、法律に基づいた最善の方法を教えてくれますんで、私みたいに遠回りしなくて済みます。お金をケチって時間を浪費して、後悔しても時間は戻ってきません。依頼すれば、自分の負担が大幅に減り、精神的に非常に楽になります。

 

最終的な判断は個々人で行う事ですが、ムリは禁物だという事は理解して下さい。特に会社を退職して残業代請求をしている方は、時間をお金で買う気持ちで弁護士さんに相談です。

 

ちなみに、社会保険労務士に依頼するという方法もありますが、労働審判や民事訴訟では代理人になれないので、訴訟手続は自分でやらなくてはいけませんし、審理に同席できません。

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