残業代請求 民事訴訟

民事訴訟は思ったより重くない

「訴訟」って聞くと、大変な事だってイメージが有りますよね。私も実際そういった先入観でした。自分自身が裁判で争うことになるなんて、これっぽっちも思っていませんでしたし、できれば穏便に済ませたいという日本人気質が前面に出て、一歩を踏み出す事が出来なかったんです。

 

だって、ドラマとかで見る法定のイメージがあるから、あんな風に大々的にやるのはチョットというイメージだったんですね。でも、現実は違いました。特に民事裁判は何ともあっさりしていますね。そのほとんどが、私達がイメージしている法廷とは程遠い、会議室で行われるらしいです。

 

しかも、主なやり取りは書面のみ。弁護士同士が喧々諤々やり合う事はあまり無いそうです。

 

それでは、民事訴訟の提訴までの流れを下にまとめます。

<残業代請求民事訴訟の手順>
1.担当弁護士の選定

「日本労働弁護団」などのホームページで、労働問題に強い弁護士を検索。労働問題にうとい弁護士の場合、断られる可能性もあるので、選定は慎重に。

 

2.選定した弁護士に相談する。

ご自身の状況を全て相談し、受任頂けるか判断してもらうんですが、自分が不利だと感じている事でも、全て話さないとその後の判決などに影響する恐れがあります。

 

3.訴状の作成

訴状の作成自体は弁護士さんが行ってくれます。作成前に打ち合わせを行い、もう一度細かい内容まで聞き取りが行われます。持っている証拠は全て提示して下さい。
自分に都合が良いように、事実を曲げて説明したり、虚偽の報告はしないように。

 

4.訴状を裁判所へ提出

これも弁護士さんが代行してくれます。提訴するための費用(印紙代)が別途必要になります。
※提訴費用の立替制度(訴訟救助)がありますので、相談しない手はないですよ!

 

5.訴状が被告(請求相手)に郵送

これは裁判所が行います。被告が戦う姿勢なら、ここから裁判が開始されます。この時点で相手側が示談を申し込んでくる場合もあります。

 

6.公判スタート

 

ザックリこんな感じです。お願いする弁護士事務所によっては、着手金を支払わなければいけない場合がありますのでご注意下さい。大抵の場合は成果報酬が発生しますので、その金額も確認しておいた方が良いでしょうね。相談無料、着手金無料でも成果報酬の割合によっては、実は高く付いたって事があります。

 

私の場合は、法テラスの扶助制度を使ったので、総額322万円の請求額に対し、19万円の着手金を扶助してもらいました。無利子で月々5千円からの支払いで、請求金額が支払われた場合、そこから残金を精算されるシステムになっています。成果報酬も16%ですので、支出は70万円という感じになります。ただし、扶助を受けるためには一定の収入条件があり、誰でも受けられる制度では無いことはお忘れなく。

弁護士選定

正直言って、これが一番悩みましたね。まあ、誰もが悩む最大のポイントかと思いますが、労働問題に詳しくない弁護士さんに依頼するのが一番怖かったので、ジックリ時間を書けて選ばせて頂きました。

 

日本労働弁護団のホームページで地元の労働問題に詳しい弁護士を探す。
弁護士ドットコムで地元の労働問題に詳しい弁護士を探す。
有名弁護士事務所(アディーレとかベリーベストとか)の無料相談を受ける。

 

こんな感じでしたね。私の場合は、幸いにも地元で労働問題に詳しい先生がいらしたので、法テラスの制度を使ってお願いする事に決めました。最初の無料相談の時の、歯に衣着せぬ物言いに感銘を受けてお願いする事に。

 

その他、素人ではわからないチョットした裏ワザ、今の経営者の実態や訴えられた企業のダメージなどについても、親切に教えて頂き、今まで自分だけでモヤモヤ悩んでいたのがスッと解消する思いでしたね。

 

頭の悪い経営者は、労働審判を軽く見てるから、審判で勝訴しても控訴される可能性があります。だったら時間をムダにしないためにも、最初から本訴に臨んだほうが良いんです。特にあなたの場合は、争点が管理監督者になりそうですから、労働審判には向いていない事案なんですね。」

 

これです。確かに前社の経営陣は頭が悪かったので、本訴に踏み切る決心がついたんですね。先ずは悩んでないで相談です。

訴状の作成

私の場合は、訴状の原案を作成して頂くまでに1ヶ月くらいかかりました。労働問題を手がけておられる弁護士さんであれば、訴状の雛形はある程度できていますし、残業代の計算についても、専門のソフトやExcelのフォーマットがありますので、けっこうサクッと出来ちゃうような印象でした。

 

訴状のベースが出来上がった段階で弁護士事務所から呼び出しがあり、2時間くらいかけて最終的な作り込みを行っていきます。基本的に、弁護士さんから質問された事に答えていく形式なんで、そう難しい事はありません。事実をありのまま話していけば良いんですから。

 

でも、この段階で自分に有利になる証言だけを話すのはオススメしません。また、虚偽の報告をすることもモチロンNG!公判に移った段階で、都合の悪いことやウソがバレれば、裁判官の心証を悪くして不利な展開に陥る可能性もあるからです。

 

結果としてどういう判決が下されるかわかりませんが、正々堂々と戦いを挑みましょうね。

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